Editor: Yasuaki Kobashi(小橋康章), All Rights Reserved
Date : 2004/03/18 (updated); 2004/02/11 (created)

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Should we assume creativity to be improved? 創造性改善の可能性について
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2003年12月に東京大学および同大学院で実施した集中講義「創造性の認知科学」において,成績評価のために,「創造性は高めることができると考えよう」というテーマで精神的代数を実施し提出してもらったものです.提出者の許可を得て公開します.
実施者: 植阪友理さん (東京大学大学院教育学研究科博士課程1年:37015)
実施時期: 2003年12月から2004年1月
実施目的: 集中講義「創造性の認知科学」の一環として.

ポリシー: 創造性は高めることができると考えよう

PROCON
※12.16
(1)同じ領域に限るが、創造性を支援するプログラムによって、転移する。

※12/17
(2)ギルフォードの煉瓦テストのように、下位領域にわけると(一応は)測定が可能である。

※記載した日、不明
(3)日本の建築の分野では、コルビジェの刺激を受けて、日本独自の創造的なものが成長しえた。(異質なものとの交流が、創造性を高めた例と考えられる)

(4)(越後島先生の本を読んでいたとき)「優秀な建築家のもとには、優秀な弟子が育ちやすい」とある

※1/4:講義ノートを見返して
(5)コルビジェの例から、(もともとの個人の能力が高いことが前提となるが)強烈な時代の要請が、個人の能力をより引き出す状況を作り出す。

(6)原田さんのように、人と交流することで、新たなアイデアやニーズを知り、創造的な産物を得ることがある。

(7)主観的な感じとして、ブレーンライティングを行うと、新たな視点を得た幹事がする。

(8)発想法や発想支援という研究が長年にわたって行われていることから、統計的な数字にはのりにくいかもしれないが、複数の人にとって、創造性が高めると感じられる方略が存在する。

(9)芸術家やビジネスマンの著書の中には、実際に困難な状況を打開するために使用した発想が紹介されている(統計的な分析ではなく、シングルケースで効果的であった方略が存在する)。

(10) (conの6に対応して)小さいころは、目立たなかったが、良い師との出合いによって、才能が開花することがある。

※12.16
(1)(proの1に対応して)発想法や発想支援の効果はあまり多く見出されていない。

※12/17
(2)(proの2に対応して)テストにおいて測定されているものが、本当に妥当であるのか不明である。

※記載した日、不明
(3)(proの3に対応して)コルビジェの影響がなくても、同時代に同じレベルのものが生じえた可能性がある。

(4)特別な天才も、うまく時代の要請に恵まれない場合には、才能を開花させることができない場合がある。

(5)(proの7に対応して)主観的に創造性が高まった気がするだけである。

※1/4:講義ノートを見返して
(6)イラストレーターやデザイナーといった創造的な人は、小さい時から一貫して創造的な作品を多く作り続ける傾向があるというように、個人の創造性には先天的なものの影響が大きい。

結論:創造性は高められると考えられる。

(実施してみての感想)1つ1つの重み付けが異なっているので、単純に線を引くのはつらい。ある程度は線を引いて消して、後は残ったものの総和で比べるほうが性にあう。採択の際のやり方(消し方)は工夫の余地があると思われた。今後、精神的代数を紹介した文献をあたって、どのようなことがいわれているのか、見てみようと思う。


E-mail: yasuaki.kobashi@nifty.ne.jp (小橋康章)

* 支援基礎論研究会 * 創造的認知と発想支援 * 小橋ホームページ

URL=http://www.kt.rim.or.jp/~kobashi/ccig/procon-yu.htm